081030 - 多重人格

081030

 恩田陸の「光の帝国」、森絵都の「つきのふね」、さくらももこの「ももこの21世紀日記 vol4」を読み直したり新たに読んだりした。
 光の帝国は、ライトノベルをちょっと重々しいノリで書いたって感じのアレだった。いや、よかったんだけど、どうも僕は何か特殊能力があって……ていう体の小説は脳が「ライトノベル」って勝手に判断しちゃって、正当な評価ができなくなる。その辺は、上遠野浩平にまかせておけばいいんじゃないかな? とかいう偏見がすぐ出る(別に上遠野浩平をバカにしてるわけじゃなく、むしろわりと尊敬してる)。でも、特殊能力をもった常野の人々の、いやに民俗チックな空気はやっぱり恩田さんならではなんだろうな。と思ったり。やはり恩田さんすごし。
 つきのふねはマイルドにスルーして、さくらももこはやはりすごい。くだらない日常を短文を添えて絵日記にした本で、内容が薄く、これでお金を取られるとは……! という感じだったが、たくさん笑わされたので文句も引っ込む。
 さくらももこの書く文は、小学生の日記と大差がない。いや、もちろんある程度、筋が通った文だし、少なくとも、内容は分かるんだけど、根底の部分で小学生の作文属性をはらんでいるように思う。それは、決してけなし言葉じゃない。小学生の日記を一度読んでみれば分かるけど、あの年代が書く文ってものすごくシュールな場合が多いんだよ。僕らの常識の範囲外の着眼点をするのが奴らの日記の特徴で、随所に「そんなこと言っちゃうの!?」とか、「それをわざわざ報告したのはなんで!?」みたいな意味の分からない面白さがある。さくらももこの書く文は、それを洗練して、読みやすくしたような感じを受ける。だからシュールな世界観が出る。

 そういえば、作家が書くエッセイっつーのは、総じてつまらない。女流作家にエッセイを書かせれば、その豊かな感受性で綴る、独特の世界観っつーの? てのを大々的に帯とかにアピールして売りに出されるけども、フタを開けてみれば、なんてこたない日常を、かっこつけて書いただけじゃんボケっつーエッセイになる。それか姉御肌の、いかにもパーな女子大生あたりが崇拝しそうな強い女のエッセイっつーのか。作者の感性を感じるためにそれを読むなら、まあ最適だけども、僕個人はエッセイにそんなものを求めてなくて、んならそいつの小説読んだほうがよっぽど感性を感じられるんじゃね? とか思う。
 男性作家のエッセイなんてのは論外だ。小説はあんなに面白いのに、エッセイはこんなにつまらんか。というパターンが多くがっかりする。お寒いオヤジギャグを延々と聴かされてるような感じ。筒井康隆とかが当てはまるか。筒井さんあんなに面白いのに。小説は。そのギャップがある意味面白いが。あ、でも森博嗣はかろうじて面白い。といっても森博嗣はクソ真面目に書いてるから面白いのかもしれない。大御所の作家ほど、わざと茶化そうとすると大体うんこみたいなことになる。そういった点では、まだブログのほうが面白いこと書く人がいると思う。ホームページだともっと面白い人もいる。
 さくらももこのエッセイだけ今んとこ楽しんで読める。誰か楽しいエッセイ知ってる人、情報お願いします。

 誰も望んじゃいねー、読書レビューが終わったところで研究室の話だけども、サンプルを作成するたびに、雪だるま式にやることが増えるのが大変だ。例えばAというサンプルを作る。Aのサンプルを毎週測定する。次にBというサンプルを作る。毎週AとBの測定を行う。……というように、サンプルが増える度に測定の回数が増えていくので、えらいことになる。心境としては闇金にお金かりちゃったような感じか。今では雪だるまは膨らむに膨らんで、毎週20個ぐらいのサンプルの測定を行わなければならず、笑える。来週は4個ぐらいさらに増える予定だ。アホか。
 測定してまとめるまで、1サンプルにつき30分ぐらいかかる。ので、計算すると……みたいな。しかもそのほとんどが幸か不幸か、単純作業なので、なんつーか空しいのな。いや、クリエイティブなのが10時間続いたらそれはそれで破綻だけど、ルーティンが10時間ってのは精神に来る作業だよ。バイトやといてー。時給200円ぐらいで。あ、来週から12時間になるのか。いつかできなくなるっていう限界点がきそうな……

 そんなこんなで、時間の使い方をちょっと間違えると、研究室から帰れなくなるので、今日は必死だった。明日は打ち合わせがある。わき目もふらずにずっとパソコンに向かい合って、打ち合わせ資料を作る。そのおかげで何とか9時ぐらいに終わりそうな公算がついた。ふー、やれやれと。
 すると、バイト先のコンビニの女の子(巨乳)から、「カステラあげるんで、店まで来てください」とのメール。音速で「やったー10時には行きます」との胸を……いや、旨を返し(この表現はつまんねー男性エッセイストとかが使いそう)、ウキウキ気分。したらまた女の子から返信が来て、「ついでにラストまで入ってくださいね☆」とのこと。は、はめられた……

 というわけで、せっかく打ち合わせ資料を早く作りあげたというのに、帰宅したのはバイトの終わった深夜で、クソ疲れたわ。なので、小説は今日は休み。明日は早朝起きなので、速攻寝た。


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 Y平 (31)

現在:
Androidプラットフォーム開発者。シナリオ作成も趣味でコンテストに
色々応募をしています。人形劇もやっています。

略歴:
2004年〜2009年 名古屋大学で人形劇サークルで活動後、作家を目指すも挫折。
2009年〜 札幌のモバイルの会社に勤めて適当にプログラミングやらに従事。
2012年 ヒューマンアカデミー シナリオライター講座受講。シナリオライターに。
2013年4月、妻と結婚
2015年8月、オモコロライターになる

作品暦:
「えんむすび」 子供映画製作ワークショップ2012最終候補
「思い出はとめたままに」 2012年南のシナリオ大賞 落選
「マリモの人形劇」アニメシナリオ大賞 選考中(2015年4月現在)
「しっくす・パックす!」第22回電撃コミック大賞 選考中(2015年4月現在)
「上から」コバルト短編小説新人賞 選考中(2015年8月結果発表)

好きな作家:
筒井康隆 綿矢りさ 星新一 藤子・F・不二雄 戸塚たくす

その他活動:
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コメント
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つきのふね→ノストラダムスの末期思想漂う中学校で、
宇宙人に助けてもらおう!とキャラたちが奮闘。
正直、今読むと?な内容で、当時もそんなに深刻に受け止められて
いなかった予言で、そんなにキャラたち悩むか?というアレな作品。

ドラえもんエリートなら出来杉君が 「単なる偶然やこじつけだよ!」
と言い放ち、恐怖を駆逐してくれたのは実に頼もしい思い出だ。

2008-11-01 06:58 | from 安寿

原田宗典のエッセイは爆笑ものかと。
オススメです。

2008-11-01 10:33 | from -

安寿さん>
いや、ノストラダムスの予言自体は別に物語の核ではない思います。個人的には。智さんと梨利の抱えてる闇っぽいものとか、友人を裏切った主人公の苦悩がリアルで楽しかったっす。あと今時の中学生ってほんとにあんな感じなんすよね……森絵都はよく考えてるなーって

ななしさん>
おけっす、さんせいどう行ってくる。感謝。

2008-11-02 02:44 | from Y平@管理人

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